只中~足るを知る
只中
■私たちは「空気」を意識せずに一日を送りますが、水の中を泳ぐ
魚たちもきっと、「水」の存在に気付かないのでしょう。また、富
士山を登る最中に、「富士山」は見えません。そう、どうもその只
中(ただなか)にいると、見えなくなってしまうことが魚たちにも、私
たちにもあるようです...
■幸せの青い鳥を探すことができなかったチルチルとミチルも、結
局、家で飼っているハトが青かったことに気付き、「幸せは探し求
めるものでなく、身近な所にこそある」とのメッセージを示し、更
に「幸せ」に気付けない心を戒(いまし)めます。病も「健康」の只
中に在る私たちに、健康のありがたさという気付きを与えてくれま
す(病は仏の御計らいか。病によりて道心は起こり候~日蓮聖人)。
■今、日本はとても豊かです。しかし、その只中にあるがゆえに
「豊かさ」に気付けず、少しでも足りないと不平や不満を洩らす、
といったように、感謝の心を抱きにくい時代のようです。
■「吾(われ)、唯(ただ)、足(た)るを知る」。そうです、「これで
は足りない...もっと」でなく、「足るを知る」心、満足できる心さ
えあれば、自ずとそこは浄土となる、と思うのですが...。相田みつ
おは「幸せはいつも自分の心が決める」と言っていましたね...。
■今改めて、今この時の幸せを、深く感じ入ることができる私たち
でありたいものです。
さて、ちなみに写真を参照ください。上が「吾・われ」、右が「唯・ただ」、下が「足る」、
左が「知る」となります。